
以下では、家事従事者の損害賠償額を計算する際に問題となる点についてQ&A方式で紹介します。
Q1
家事従事者の基礎賃金はどの程度ですか。
A
原則として、女性労働者の平均賃金(※)が基礎賃金として用いられています。
なお、男性の家事従事者の場合も同様に女性の平均賃金(※)が用いられることが多いです。
※賃金センサス代1巻代1表の産業計、企業規模計、学歴系の全年齢平均賃金または年齢別平均賃金をいいます。
Q2
家事に従事していた妻が交通事故により死亡した場合、逸失利益は認められるのでしょうか。
A
認められます。
家事労働を金銭的に評価し、平均的就労可能年限に達するまでの逸失利益を算定することが可能です。
Q3
兼業主婦の基礎収入額(死亡逸失利益)算定の際、家事従事者としての収入(女性平均賃金額)に、実収入分を加算することは可能ですか。
A
原則として、実収入部分を加算することはなく、女性の平均賃金額のみを基礎収入とします。
ただし、金銭収入額が平均賃金額以上のときは、実収入額によって給与所得者や、個人事業者等として損害額を算定します。
(なお、金銭収入の喪失が家庭に与える影響が多い等の事情を考慮して、比較的金額が高い年齢別平均賃金を使う裁判例もあります。)。
Q4
一人暮らしの主婦です。家事従事者として認められますか。
A
原則として、認められません。
家事従事者と認められるためには、自己の家族のために主婦的労務に服することが必要です。
そのため、一人暮らしの被害者が自己のために家事を行っていても、家事従事者には該当しません。
Q5
子供夫婦等と同居している場合も、家事従事者として認められますか。
A
自身以外の家事を行っているのであれば認められます。
この場合、家事を分担して行っていると考えられるので、実際に分担している家事労働の内容、従事できる労務の程度等を考慮して、通常の家事従事者の基礎賃金よりも減額されることが多いです。
このことは、親元にいる子供が、家事の多くを分担している場合にもあてはまります。
Q6
家事従事者の平均賃金を算定する際、年齢や生活状況等は考慮されますか。
A
はい。
例えば、被害者がかなりの高齢の場合、家族との生活状況や、自身の身体状況等を考慮して、賃金センサスの平均賃金から減額した額を基礎収入とする例がみられます。
Q7
事故のせいでしばらく家事、育児を行えなくなりました。専業主婦ですが、休業損害は認められるのでしょうか。
A
現に家族のために家事労働に従事しているのであれば、家事従事者と認定できますので、受傷のため家事に従事できなかった期間については、休業損害を請求することが可能です。
Q8
身内の介護を行う人が家事従事者と認められることはありますか。
A
はい。
例えば、無職の高齢の男性が寝たきりの妻を介護していたのを家事と認定し、休業損害等を認めた例があります(女性・学歴計・全年齢)。
以上
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