後遺障害/むち打ち症 検査(1)

 むち打ち損傷の検査方法として、一例を紹介します。

 

・神経根症状誘発テスト

①スパーリングテスト

 頭部を幹部に傾斜・後屈して圧迫し軸厚を加えます。

 圧迫を加えることにより椎間孔が狭められるので、そこを通る神経根に障害が存在する

、その神経根の支配領域に疼痛、しびれ感が放散します。

 

②ジャクソンテスト

 ジャクソンテストは、頭部を後屈して圧迫し軸厚を加えます。

 肩引き上げテスト(ショルダーデプレッションテスト)をジャクソンテストと呼ぶこと

ありますが、これは、頭部を反対側に倒し肩を下方へ押し下げます。

 いずれも、神経根障害が存在する場合、その支配領域に疼痛、しびれ感が放散します。

 

・腰部神経の誘発テスト

①ラセーグテスト

 患者を仰臥位にし、股関節と膝関節を90度に屈曲させ、検者が膝を徐々に伸展させま

す。

 椎間板ヘルニア等、坐骨神経(L4、L5、S1、S2、S3の神経根)に圧迫や癒着

ある場合、大腿後面から下腿後面に疼痛が生じます。

 

②下肢伸展挙上テスト

 患者を仰臥位にし、下肢を伸展挙上させて、床面からどの程度上がるかによって判断し

す。

 正常の場合、70度程度まで足が上がるが、坐骨神経に障害がある場合、大腿後面から

腿後面に疼痛が生じ、足を上げることができないです。椎間板ヘルニア患者の場合、

30度も上がらないこともあります。(ラセーグテストとSLRテストは、ともに坐骨神

経伸展テストとして、同じものと扱われることもあります。)

 

③大腿神経伸長テスト

 患者を腹臥位にし、膝を90度に屈曲させ股関節を伸展するように持ち上げます。

 椎間板ヘルニア等、大腿神経(L2、L3、L4の神経根)に障害がある場合、大腿神

に沿った大腿前面に痛みが放散します。

                                      以上

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