・小腸の障害
(ア)小腸を大量に切除したもの
小腸を大量に切除したものの障害等級は、次のとおり認定することになります。
なお、小腸を切除したことにより人工肛門を造設したものは、「人工肛門を造
設したもの」により認定することになります。
(a)残存する空腸、及び回腸(以下「残存空・回腸」という)の長さが100
cm以下となったものは、第9級の11に該当します。
(b)残存空・回腸の長さが100cmを超え300cm未満となったものであっ
て、消化吸収障害が認められるもの(低体重等が認められるものをいいます
(BMIが20以下であるものをいいます。ただし、被災前からBMIが20以
下であったものについては、被災前よりも体重が10%以上減少したもの。))
は、第11級の10に該当します。
【注:小腸を大量に切除したため、経口的な栄養管理が不可能なものは、通常、療養
を要します。】
(イ)人工肛門を造設したもの
(a)小腸内容が露出することによりストマ周辺に著しい皮膚のびらんを生じ、パ
ウチ等の装着ができないものは、第5級の3に該当します。
(b)(a)に該当しないものは、第7級の5に該当します。
(ウ)小腸皮膚瘻を残すもの
(a)瘻孔から小腸内容の全部、又は大部分が漏出するもの
(1)小腸内容が漏出することにより小腸皮膚瘻周辺に著しいびらんを生じ、パ
ウチ等の装着ができないもの(以下「パウチ等による維持管理が困難である
もの」という)は第5級の3に該当します。
(2)(1)に該当しないものは、第7級の5に該当します。
(b)瘻孔から漏出する小腸内容がおおむね100ml/日以上のもの
(1)パウチ等による維持管理が困難であるものは、第7級の5に該当します。
(2)(1)に該当しないものは、第9級の11に該当します。
(c)瘻孔から少量ではあるが、明らかに小腸内容が漏出する程度のもの
は第11級の10に該当します。
(エ)小腸の狭窄を残すもの
小腸の狭窄を残すものは、第11級の10に該当します。
「小腸の狭窄」とは、次のいずれにも該当するものをいいます。
(a)1か月に1回程度、腹痛、腹部膨満感、嘔気、嘔吐等の症状が認められ
ること
(b)単純エックス線像においてケルクリングひだ像が認められること
・大腸の障害
(ア)大腸を大量に切除したもの
結腸のすべてを切除するなど大腸のほとんどを切除したものは第11級の
10に該当します。
なお、大腸を切除したことにより人工肛門を造設したものは「人工肛門を
造設したもの」により認定することになります。
(イ)人工肛門を造設したもの
(a)大腸内容が漏出することによりストマ周辺に著しい皮膚のびらんを生じ、
パウチ等の装着ができないものは、第5級の3に該当します。
(b)(a)に該当しないものは、第7級の5に該当します。
(ウ)大腸皮膚瘻を残すもの
大腸皮膚瘻を残したものの障害等級は、(ウ)「小腸皮膚瘻を残すもの」の
「小腸」を「大腸」に読み替えて認定することになります。
(エ)大腸の狭窄を残すもの
「大腸の狭窄」とは、次のいずれにも該当するものをいいます。
(a)1か月に1回程度、腹痛、腹部膨満感等の症状が認められること
(b)単純エックス線像において、貯留した大量のガスにより結腸膨起像が相当
区間認められること
(オ)便秘を残すもの
便秘については、次のとおり認定することになります。
(a)用手摘便を要すると認められるものは、第9級の11に該当します。
(b)(a)に該当しないものは、第11級の10に該当します。
「便秘」とは、次のいずれにも該当するものをいいます。
(1)排便反射を支配する神経の損傷がMRI、CT等により確認できること
(2)排便回数が週2回以下の頻度であって、恒常的に硬便であると認められ
ること
なお、(a)、及び(b)の障害の評価には、便秘を原因とする頭痛、
悪心、嘔吐、腹痛等の症状が含まれます。
(カ)便失禁を残すもの
(a)完全便失禁を残すものは、第7級の5に該当します。
(b)常時おむつの装着が必要なもの(第7級の5に該当するものを除く)は、
第9級の11に該当します。
(c)常時おむつの装着は必要ないものの、明らかに便失禁があると認められる
ものは、第11級の10に該当します。
以上
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