胸腹部臓器の障害/腹部臓器の後遺障害(3)

・肝臓の障害

(ア)肝硬変(ウイルスの持続幹線が認められ、かつ、AST・ALTが持続的に

  低値であるものに限ります。)は、第9級の11に該当します。

 

(イ)慢性肝炎(ウイルスの持続幹線が認められ、かつ、AST・ALTが持続的

  に低値であるものに限ります。)は、第11級の10に該当します。

 

・胆のうの障害

 胆のうを失ったものは、第13級の11に該当します。

 

・すい臓の障害

(ア)すい臓の障害に関する障害等級は、次のとおり認定することになります。

 

 (a)外分泌液機能の障害と内分泌機能の障害の両方が認められるものは、第9

   級の11に該当します。

 

 (b)外分泌液機能の障害、又は内分泌機能の障害のいずれかがが認められるも

   のは、第11級の10に該当します。

 

 (c)軽微なすい液瘻を残したために皮膚に疼痛等を生じるものは、局部の神経

   症状として、第12級の13、又は14級の9に該当します。

 

(イ)「外分泌機能の障害」とは、次のいずれにも該当するものをいいます。

 

 (a)上腹部痛、脂肪便(常食摂取で1日ふん便中脂肪が6g以上であるもの)、

   頻回の下痢等の外分泌機能の低下による症状が認められること

 

 (b)次のいずれかに該当することです

  (1)すい臓の一部を切除したこと

  (2)BT-PABA(PFD)試験で異常低値(70%未満)を示すこと

  (3)ふん便中キモトリプシン活性で異常低値(24U/g未満)を示すこと

  (4)アミラーゼ、又はエラスターゼの異常低値を認めるもの

 

(ウ)「内分泌機能の障害」とは、次のいずれにも該当するものをいいます。

 

 (a)異なる日に行った経口糖負荷試験によって、境界型、又は糖尿病型であ

   ることが2回以上確認されること

 

 (b)空腹時血漿中のC-ペプチド(CPR)が0.5ng/ml以下(インス

   リン異常低値)であること

 

(c)Ⅱ型糖尿病に該当しないこと

 

【注:内分泌機能に障害があるためにインスリン投与を必要とする場合は、療養を

  要します。】

 

・脾臓の障害

 脾臓を失ったものは、第13級の11に該当します。

 

・腹壁瘢痕ヘルニア、腹壁ヘルニア、鼠径ヘルニア、又は内ヘルニアを残すもの

(ア)常時ヘルニア内容の脱出・膨隆が認められるもの、または立位をしたとき

  ニア内容の脱出・膨隆が認められるものは、第9級の11に該当します。

 

(イ)重激な業務に従事した場合等腹圧が強くかかるときにヘルニア内容の脱出

  膨隆が認められるものは、第11級の10に該当します。 

                                    以上

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