交通事故Q&A 十字路交差点(優先道路)の事故(直進車と緊急自動車)

信号のない十字路交差点事故


 信号のない十字路の交差点で自動車同士による出会い頭の事故が発生しました。
 優先道路を直進する自動車(以下、「優先道路直進車」といいます。)と、非優先道路から進入してきた(パトカーや救急用自動車等)緊急自動車(以下、「非優先道路緊急自動車」といいます。)の衝突事故でした。
 この場合の過失割合について教えて下さい。


 基本、優先道路直進車80%、非優先道路緊急自動車20%の過失割合です。
 緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止することを要しません。ただし、この場合は他の交通に注意して徐行しなければなりません(道路交通法第39条第2項)。
 一方、緊急自動車を除く車両は、緊急自動車が接近してきたときには、交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行の道路において左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合には、道路の右側)に寄って一時停止しなければなりません(道路交通法第40条第1項)。
 そのため、上記事故の場合でも、緊急自動車が優先されますが、ある程度の過失は発生すると考えられます(上記事故は、見通しの悪い交差点で、優先道路直進車に対し、非優先道路緊急自動車がサイレンを吹鳴しつつも徐行をしていなかったことを前提としています。)。
 以上を前提に、事故現場が見通しがきく交差点か、優先道路直進車の先行車両が停止していたか否か、非優先道路緊急自動車の徐行、明らかな先入の有無、その他双方の著しい過失・重過失の有無等個別事情により過失割合が修正されます。
(なお、非優先道路緊急自動車が、みとおしがきかない交差点に進入する直前までサイレンを吹鳴していない場合等は、上記基準の対象外です。また、非緊急自動車が非優先道路を通行している場合は、基本、非優先道路を通行している車両が全面的に過失を負います。) 

                                     以上

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