信号機がない十字路交差点事故(見とおしがきかない交差点)
Q
信号がなく、見とおしが悪い十字路交差点で、自転車と自動車との事故が発生しました。
具体的には、非優先道路を直進する自転車(以下、「自転車」といいます。)と、優先道路を直進する自動車(以下、「優先自動車」といいます。)が、信号のない交差点で出会い頭に衝突しました。
この場合の過失割合について教えてください。
A
基本、自転車50%、優先自動車50%の過失割合です(通常、自動車に比べて自転車の速度は遅いことから、出会い頭の事故の場合、速度差があることを前提としています。)。
優先道路を走行する車両(優先自動車)には、徐行義務は課せられていません(道路交通法第42第1号かっこ書)。しかしながら、優先道路を走行する車両(優先自動車)にも、道路交通法第36条第4項等の注意義務が課せられているのであり、上記の基本割合は、優先自動車にも、前方不注視等の何らかの過失の存在が前提となっています。
以上を前提に事故の時間帯が夜間か、自転車の運転者が児童等・高齢者か、右側通行・(優先自動車から見て)左方進入、自転車横断帯通行や横断歩道通行の有無、その他双方の著しい過失・重過失の有無等の個別事情により過失割合が修正されます。
なお、上記事故の発生場所が見とおしがきく交差点の場合、自転車が右側通行・(優先自動車から見て)左方進入を行っていた場合でも、優先自動車側の事故回避の困難性が高まるわけではないので、修正要素から除外されます。また、交差点、又はその付近に自転車横断帯がある場合は、これを進行しなければならないことから(道路交通法第63条の7第1項)、自転車横断帯を通行している場合、自転車の右側通行・(優先自動車から見て)左方進入は修正要素から除外されます。
(優先道路とは、道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路のことをいいます(道路交通法第36条第2項)。)
以上
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