追越禁止場所での事故
Q
道路上で、単車(自動二輪車(原動機付自転車を含む)と自動車との衝突事故が起きました。
具体的には、前方の自動車を追越そうとする単車(以下、「単車」といいます。)と、道路を直進している自動車(以下、「自動車」といいます。)との衝突事故です。
追越そうとする単車が、自動車の前方に出ようとした時に衝突しました。
なお、事故現場の道路は追越しが禁止されています。
この場合の過失割合について教えて下さい。
A
基本、単車80%、自動車20%の過失割合です。
上記基本割合の追越は、車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいい、道路交通法第2条第1項第21号の追越しよりも制限的に捉えています(道路交通法第2条第1項第21号にいう追越しは、後車が前車に追いついた後に、前車の進路上には出ずにそのまま直進するケースも含まれています。)。
追越禁止場所とは、道路標識等により追越禁止と指定された場所、道路の曲り角付近、上り坂の頂上付近や勾配の急な下り坂、トンネル内(車両通行帯の設けられた道路を除く。)のほか、交差点(優先道路の場合を除く。)、踏切、横断歩道又は自転車横断帯及びこれらの手前の側端から前に三十メートル以内の部分を指します。
上記の基本割合は、追越禁止場所でありながら、後方から来た単車が進路を変えて、前方の自動車の側方を通過し、更に進路を変更し、自動車の前方に出ようとした際に衝突したことを前提としています。
原則として、追越車である単車の過失が高くなる一方、被追越車である自動車にも、単車が追越しを終わるまで加速してはならないとされる他(道路交通法第27条第1項)、単車が通行するのに十分な余地がない場合においては、できる限り道路の左側端に寄って進路を譲ることが義務付けられています(道路交通法第27条第2項)。また、安全運転の義務の一環として、単車の追越しを完了させる注意義務が存在します(道路交通府第70条)。
以上を前提に、自動車に避譲義務(道路交通法第27条第2項)違反、道路交通法第27条第1項違反の有無(因果関係については、道路中央との間に追越車が進行するに足りる余地が無いといえるケースに限り、認定されます。)、その他双方の著しい過失・重過失の有無等の個別事情により基本割合が修正されます。
なお、二重追越(前方の車両が他の車両等を追越そうとしている時に、更にその前方の車両を追越すことをいいます。前方の車両が追越そうとしている他の車両等が原動機付自転車や自転車の場合は除かれます。)については、追越禁止場所の場合、前方を走行する自動車には減速・ハンドル操作等による回避措置を取ることは困難であり、避譲可能性の程度において差があるため、原則として、追越車である単車の過失によるものと考えられます。
以上
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