交通事故Q&A 歩行者と自転車の事故(横断歩道付近の事故4)

信号機の設置されている横断歩道直近の事故

 道路上で、歩行者と自転車との衝突事故が起きました。
 具体的には、信号機がある交差点で、対面信号(歩行者の正面)が青信号のときに横断歩道外の場所を渡ろうとした歩行者(以下、「歩行者」といいます。)と、車両用信号機が青信号の時に右折(又は左折)してきた自転車(以下、「自転車」といいます。)との衝突事故です。
  なお、歩行者と自動車が衝突したのは、自転車が横断歩道を通過した後です。
  この場合の過失割合について教えてください。 
 A
  基本、歩行者10%、自転車90%の過失割合です(なお、横断歩道の端から外側に1~2m離れた場所や、横断歩道が停止車両により閉鎖されている場合の当該車両の前後は横断歩道と同視されます。また、車道上を進行中の自転車との関係では横断歩道に隣接している自転車横断帯も横断歩道と同視されます。よって、横断歩道外とは、それら以外の場所をさします。)。
 上記の基本割合は、青信号で交差点に右折(又は左折)を行ない進行してきた自転車が、横断歩道を通過したあと、直近の信号機が青信号の時に横断を開始した歩行者と衝突した場合であること、また、歩行者が、横断歩道によって道路を横断すべき規制に違反していること(道路交通法第12条第1項)を前提としています(右折する自転車の対面信号が右折の青矢印信号の場合は、右折自転車にとって赤信号として扱われます。)。
 以上を前提に、事故現場が幹線道路、住宅街・商店街等か否か、歩行者の直前直後の横断、佇立・後退の有無、児童・高齢者、幼児・身体障害者等か否か、集団横断の有無、歩車道の区別の有無、自転車の著しい過失・重過失の有無等の個別事情により基本割合が修正されます。 
 自転車が右折を行う場合、二段階右折を行うことが義務付けられており(道路交通法第34条第3項)、二段階右折を行っている場合には、上記基準とは別に、個別事情を踏まえて検討することになります。上記基準の右折自転車は右折方法違反があることを前提としており、このことが事故の発生原因になっている場合には自転車の著しい過失・重過失として修正される可能性があります。
 なお、横断歩道は無いものの信号機が設置されている交差点の直近の事故についても、上記の基本割合の適用が可能です。

                             以上

慰謝料の増額に強い大阪の弁護士が死亡・人身(軽傷から重度後遺障害まで)交通事故被害の救済に尽力致します。死亡・人身事故被害者の損害賠償請求(死亡・後遺障害慰謝料、死亡・後遺障害逸失利益、休業損害等)を事故時から賠償金の回収に至るまで全面的にサポート。無料法律相談実施中(土日祝・夜間・無料電話相談も対応可)、弁護士費用特約(大多数の保険では300万円まで弁護士費用をカバー)にも対応。弁護士に依頼することによるメリット・費用等をわかりやすく説明しますのでお気軽にご連絡下さい(完全後払いも可)。

URL     http://www.united-law.com
Email   maeno@united-law.com
TEL     06-6309-0515